洗濯機をきれいに!
内部はカビの温床
洗濯機の一般的な構造は、最も内側が側面に穴があいた洗濯槽で、その外に水を貯める水槽がある。石鹸カスや皮脂を栄養源に洗濯槽の外側と水槽の内側といったふだん手が届かない湿った場所にカビが生じる。
大阪市立環境科学研究所では、一槽式の全自動洗濯機の洗濯水1ミリリットル中に平均61個のカビが見つかった。淀川の16個をはるかに上回る数字という。「衣類についたチリや泥にあるカビが繁殖するようだ」と。
カビは半年から1年で生じ、使う頻度が高いほど生えやすいという。これではカビの中で衣類を洗うことになりかねない。洗濯機を取り外すのは一般家庭では難しいため、このような掃除をする業者も増えている。
分解掃除までする必要がないと思う人には、市敗の洗濯槽クリーナーがある。水をはった洗濯槽にクリーナーを入れて2、3時間漬け置き、衣類を入れずに洗濯、すすぎ、脱水をすると薄くはがれたカビが浮いてくる。クリーナーは1回分が400円程度。大きく分けて粉末と液体の2種類がある。
粉末は酸素系で、泡を吹き出してカビをはがす。液体は塩素系で風呂のカビ取り剤のようにカビを漂白・分解する効果が高い。ともに漬け置きし過ぎると洗濯槽を傷めかねない。一度使うと、はがれかけた汚れが残るので、もう一度水だけ入れて洗濯槽を回す。
洗浄のときは、「洗濯槽の上の縁に汚れが残りやすいので、槽いっぱいになるまでバケツで水をたすといい」(エステー化学)。洗剤メーカーは、1~2ヶ月に1度の使用を勧める。一方、洗濯機のメーカーは年に一度使えばいい塩素系の強力なクリーナーを2,000円程度で販売している。
洗剤は使い過ぎず
ふだんからカビが繁殖しやすい環境を作らないことも大切。湿気を減らすため、使わないときはふたを開けておく。栄養源となる洗剤を過剰に使わない。かご代わりに洗濯機に汚れ物を詰めるのも避けたい。
洗濯機によって汚れやすさは異なる。洗濯槽はプラスチックより、ステンレスの方がカビがつきにくい。プラスチックは構造上、外側に細かい溝がありカビがたまりやすい。ドラム式は上下に水を激しく動かすので縦型よりカビがつきにくい。
洗濯乾燥機は洗濯槽も乾くので効果的。カビの発生を抑えるには「60℃以上の状態を続けること」(東芝)、具体的には、乾燥機を30分ほど回せばよいという。
カビのつきにくい性能を前面に出した洗濯機も増えている。東芝はすすぎの際、除菌成分の次亜塩素酸を自動混入する製品を発売。シャープは洗濯槽に穴を開けず、汚れた水が水槽から洗濯槽に戻りにくくしている。
いろいろ工夫し、使用してみて下さい。