『更紗(サラサ)の語源』の歴史
更紗(サラサ)
木綿布に草花や鳥・動物・人・幾何学模様などを描きいろあざやかに染め上げたインド生まれの仏教と共に生き続けてきた文様染めのことです。
その他の意味
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ヒンズー語の「美しい」「より優れた」などの意味。
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サンスクリット語「本質を含んでいる」美的境地を指す述語。
インド更紗は室町から桃山時代に日本に伝えられました。やがて日本の風土と美意識を織りませながら、日本独自の「江戸更紗」が生まれました。今日も使われている唐草模様や鋸歯模様は、インドからやってきた更紗が変化したものです。
吸湿性や保温性に優れ、肌さわりがよい木綿。そこに多彩な色で染められた自由な文様はさまざまな土地の生活に根付きながら世界を一つにつないで生き続けた歴史を感じさせてくれます。
同じモチーフが無限に繰り返されていく様式は、素朴な深い味わいがあり輪廻転生のように再生する生命感を表しているとも言われ、不思議な生命力にあふれています。更紗には自然素材が持つ温かさや親しみやすさ・安らぎなどを活かした、本物の素材をイメージさせてくれます。悠久の昔から人と共に、生き続けてきた天然素材です。